ノベツマクナシ

低所得者層にいます

日記122 書くのが難しい

書くのが難しい。

書いては消しを繰り返すのにも限度があると思い、書ききるつもりで作成する。

ある人が死んだ。
私はその人が自ら命を絶ってから初めてその人の存在を知ることになる。
彼は自分が生きているうちの記憶を書き出せるだけ書き出し、写真を残し、幼少期に録音していた音声までアップロードし、自分の人生というものを世界に公開した後首を吊って死んだ。いやしくも私は隅から隅までそれを読み込んだ。それもう貪るように読んだ。

幼少期ー小学生時代ー引きこもりー現在の順で書き出された人生は、彼の社会経験の少なさゆえに異様に細かいことを思い出として残している。その語り口が素晴らしかったのだ。いい格好を見せようという意図の無い、細くもよどみのない文章だった。

そして(身も蓋もない言い方をするが)死んだ人の独白を読み込んで以来、わたしはどこかボーっとしている。二ヶ月だか三ヶ月だか(あるいはこれからもだろうか)私は彼の薄暗い文章を思い出しながら生活しているので、引きずられてるなぁーと思いながらも「そっち側へ行くのは早いぞ」と無理やり行動を起こしながら過ごしている。

私は冥福を祈るとか、彼の分まで生きようだとか、そういうことを書きたいわけではなく、すくなくとも生きた意味を作りたいと残し死んだ、思い上がりも甚だしい性格も終わっているカス人間の彼のことを私は覚えておこうと思ったということをここに書いておこうと思ったのだ。