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ノベツマクナシ

低所得者層にいます

日記84 タオルケットをもう一度

日記

本を買ったのは一年ぶりだろうか。私がすきなフリーゲームの「タオルケットをもう一度」のノベライズ版で、ずいぶん簡単な文章で何度も改行しているこの様式はまさにライト。小説に劣らずこのゲームはなんとも台詞回しが素敵で、セリフで説明をせず、プレイヤーに物事を理解させるのがとても上手い。煩雑にならないように見せる感性が鋭く、セリフだけで進行していることに気づかないほど「読ませる」ことに対するハードルを下げている。説明は奪う。説明は限定する。説明は退屈を生む。

私にとっては歌詞も文章と同じように見て、読んでいる。音ありきの存在でありながら、強烈に自分の中の風景を思い出させる歌詞がある一方で、私にこれ以上説明しないでくれとウンザリする歌詞もある。だから私は聴いている最中でさえも歌詞を脳内で修正変換するクセがついている。オリジナリティが皆無の行為だけど、編集という視点でみればこれ以上に面白い暇つぶしはない。

あえて否定形にするのはセンスがないことなんだなとか、シンプルで意味の強い言葉だけを並べると一気につまんなくなるなとか、直接言わず同じ気持ちを喚起させることほど素晴らしいものはないなだとか、いろいろと気づくことが多い。人に伝えるというのはそう簡単ではないのだ。そしてそういった文章をゼロから書ける人はそれだけで尊敬されるものなのだと思う。

それはともかく「タオルケットをもう一度」難易度自体はとても低いので、ぜひプレイしてみてください。