ノベツマクナシ

低所得者層にいます

フォーメーションダンスについて考えた 再考加筆

最近のアイドルの振り付けにおけるフォーメーションはかなり複雑化してきている。私はその言葉にまずモーニング娘。さくら学院Perfumeをパッと頭に浮かべた。

そして今日それらに加えて思い出したのはバレエ漫画「昴」だ。ダンスの天才である主人公・昴(スバル)が初めてぶつかる壁、それが「他人と一緒に踊ること」だった。今までは周りを巻き込み自分に合わせることで100%以上の力で踊ることを楽しむ昴だったが、初めての本格的なバレエ公演の群像ダンスであるコールドに抜擢され、同じく初めての合同レッスンでボコボコに叩きのめされ、なんやかんやあって他者と一緒に踊ることの難しさを学ぶのだ。少し引用しようと思う。

「このビデオを見てもわかるでしょ。群舞(コール・ド)になると俯瞰から全体を捉えたカットが多くなる。コール・ドって、全体のフォーメーションの美しさをみせるものなのよ」「コール・ドは自分だけ高く跳ぼうとか、イイとこ見せようなんて思っちゃダメ。全員がひとつになって、観客を圧倒するのよ。」

「ねぇ、サダ。この人達さ、周りのダンサーのこと全然見てないよ!なのにどうして、こんなにピッタリ揃うの?」

「誰がどんなタイミングでどんな風に跳ぶのか。無理やり言えば空気の揺れとでも言うのかしら・・・集中して、それを感じる。頭や目じゃなくてね。」

「ウソォ?!」

「ウソじゃないわ。世界中の舞台で踊られる群舞は、それで成り立ってるのよ!!」

漫画だから多少は誇張もしている所もあるだろう。だが私は真っ先に思い出したのだ。あぁ!彼女たちは確かにそれぞれのグループ名と一つになっている。自らを意味する名前にすべてを預けている「あの」感じだ。もちろんまだ10代の子もいるし、世界的なダンサーでもない、おぼつかない時もあるだろう。それでも自己より全体を優先させる意識は似ているなぁと思うのだ。

2008年以降、モーニング娘。もまた自らのダンスフォーメーションをよりブラッシュアップさせている。それは歌詞割を多くもらっているメンバーとそうでないメンバーで分けられたモノでなく、視聴者に全体をまんべんなく見せることを意識させるモノに変わっているのだ。特に2009年に発表した「なんちゃって恋愛」のPVと3年後の2012年発表「One・Two・Three」「Help me」では明らかに見せ方が違う。


モーニング娘。『なんちゃって恋愛』 (Dance Shot Ver.) - YouTube

 


モーニング娘。 「One・Two・Three」 (Dance Shot Ver.) - YouTube


モーニング娘。 『Help me!!』 (Dance Shot Ver.) - YouTube

どれもフォーメーションの変化が多いが、123はメンバー配置により気を使っている印象をうける。長方形を基本に形作るなんちゃって恋愛、扇型、またはピラミッド型に厚みを持たせている123どちらが優れているわけではないが視線誘導が自然と行われるのは後者だと思う。そして新たに追加したHelp meだ。ここから明らかに変わった。フォーメーションチェンジ数が段違いに多いのだ。

しかしこういったフォーメーション重視にも欠点はある。レベルを揃え、目立たせることより精度に集中するわけだから、その領域にファンサービスという思惑は挟み込みにくくなる。アイドルとしてメンバー個人をアピールする機会が減ってしまうということは、まずそれだけ固定のファン層がいなければ成立しえないだろう。

それでもPerfumeはメンバーの少なさとエフェクトによる歌唱力より楽曲の質を見せる手法、なによりどの方向から見ても見栄えする振り付けでそれを乗り越えている。一方モーニング娘。はこの難点をまさに人数の多さを逆手に取ったフォーメーションの多様性でカバーするというアプローチがなされているのが面白い。なんといってもブレインストーミングが良い例だろう。ほとんどのシーンにおいて歌ってないメンバーが最前列に居るのだから。こればっかりは本当に驚いたしさすがライブを主体に活動してるだけあるな、と。空間の取り方からして違います。とにかく立体的、縦にも横にも。


モーニング娘。 『ブレインストーミング』 (ルーズショット Ver.) - YouTube

 ただちょっとどうなの?と思うのはライブでのパフォーマンスには向いてないかなーと思う瞬間が増えたこと。大きなステージに対してフォーメーションで固まって移動する姿が「ゴチャゴチャしてる」ように感じるようにもなりました。悪く言えばドームやコンサート会場の広さを悪い意味で目立たせるまとまった印象です。スタジオ内ではとても大きく立体的に見えるモーニング娘がコンサートでは小さく見える(当たり前)こればっかりは単純に見せ方の問題な部分もあるとは思うんですが、わがまま気のまま愛のジョークでは斜め上から見たらわかる仕掛けなど色々工夫はしているので、どう乗り越えるのか楽しみです。広く動く運動量でカバーか、演出でカバーか。

 

 

 

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個人的にフォーメーションが面白いと思う振り付け

モーニング娘。


モーニング娘。 『愛の軍団』(Morning Musume。["GUNDAN" of the love ...

やはり最新曲から。なんといっても180度回転する1列移動でしょう。「君さえ居れば何も要らない」を上回るグルグルっぷり。そして1番2番でのAメロの動きやサビでの腕を回す動き、よく見ると変化つけているのです。

さくら学院


Sakura Gakuin (さくら学院) - Verishuvi (dance ver.) - YouTube

振付けのモチーフの濃さ、あふれる学校らしさがたまりません。後ろ向いちゃってる子とかいますからね。大胆にも程がある。横いっぱいに並んでいるあたりが学校の発表会のようです。

Perfume

だいじょばない(動画削除されました)

さらーっとすごいことしてます。特にAメロでの狭いステージでの後方斜め移動でのすれ違い。後半アウトロ部分での三人によるじわじわと移動するさまとピッタリハマり込んだ瞬間の気持ち良さなんてもう!ミニマリズム極まれりといったところでしょうか。ただ移動するだけでなく、向いている方向に変化をつけることによるバリエーションの豊富さにただただ感服です。