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ノベツマクナシ

低所得者層にいます

日記66 2013年の夏 

行きつけのコンビニでおでんの販売が始まった。最近のおでんは付け合せにポトフ風味にもなるケチャップを付けてくれたりする。凄いもんだ。

8月はとにかく仕事が減る時期らしく毎日ヒマを持て余している。村上春樹の世界の終わりとハードボイルドワンダーランドを読んでいる。はじめから読むのは4度目くらいだろうか。始まってすぐに「やれやれ」と主人公がこぼしていた。これだから村上春樹はバカにされるんだ!!と訳の分からない苛立ちを覚える。よくわからない職業につく主人公が地下だか地上だかよくわからない場所に連れて行かれるところから始まる。主人公の名前が明かされないまますすむのはなんだか面白い。一人称視点の良い所だ。

図書館で借りた本はだいたい返却日が書かれたレシートをしおりにして読んでいる。ペラペラで小さくて役に立たない。案の定どこに挟んだかわからなくなりめくっていると名刺くらいの大きさのカードが落ちてきた。スターバックスのテイストチャレンジという企画に参加したらしい、カードの引き換え有効期間は2010年の5月11日。3年前の春にこの本を読んだ人はスターバックスへ行ったのだ。なんというステレオタイプのハルキストだろう。

ちなみに私がこの本を読み始めたのは憧れていた先輩がハルキストだったからだ。もうまごうことなきオシャレなサブカル好きでフィルムカメラでネコとイヌの写真を撮り、行きつけのカフェ(喫茶店ではない)で豆を買い自宅でコーヒーを楽しむような徹底したサブカル系男子だった。私が憧れていたのはその徹底した文系スタイルであって、もし彼がデカルトマニアだったらきっと私もデカルトを読んでいただろう。

本を読む以外の時間はひどい。何もしない後ろめたさを誤魔化すために単語帳を見返し、ポッドキャストでためにもならない英会話を聞き流すか、アカデミー賞を受賞しスピーチする妄想をする。もらうのは脚本・助演男優賞のどっちかだ。妄想中必ず誰に感謝すればいいのか迷う。友達も家族も仕事仲間も全員違うのだ。この迷っている間にこそ自分が社会と何もつながりを持ってないこと・いかにするべきことをしてないかを痛感させられアカデミー賞受賞ごっこは強制終了する。そしてうんざりしながら単語帳をめくる。

これはもう図書館に行って嫌でも暇つぶしできない状況に自分を追いやるしかない。こんなとき24時間営業の図書館があればいいのに、そんな素敵な場所で深夜一人でソファーに寝転がりながら海洋生物の図鑑とか読んでいたい。