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ノベツマクナシ

低所得者層にいます

日記64 「スゲー、映画みたいだ」

風立ちぬをみた 

なんといってもジブリは演出が良い。アニメを作ってるんじゃなく、映画を作ってるんだなぁと思わせてくれるシーンが結構ある。その上通常ありえない位置に光がさしたり、過剰に髪の毛が逆立ったりとアニメ特有の非現実的な表現でそれを盛り上げるんだからたいしたもんだ。

その後フワフワとした気持ちのまま何日か過ぎ、なんとなく高野文子の漫画「ラッキー嬢ちゃんの新しい仕事」を読んだ。とんでもなく面白いのだ。そして思った「スゲー、映画みたいだ」

展開のテンポの良さや単純明快な筋書きも魅力の一つだが、この漫画、作画のセンスがとっても良いのだ。過剰に書き込むこともなく、美しくその場を再現している。絵のリズムとも言えようか 読んでいてつまづくことがない。なのにハッとするほど惹き付ける画面構成となっている。

セリフも良い。風立ちぬはとにかく聞き取らせる・背景や内情を伝えることよりも「実際に生きている人」を再現する方に力を注いでいるように見えた。庵野秀明の声が頼りなく、俳優のような発声もろくにできてないところがソレを強調させているように、やたら早口だったりするのだ。彼らの表現する「現実世界」でアニメのようなしゃべり方をしたらそりゃ不自然だよなぁとやっと宮崎駿の言葉の意味を理解することができた。

「ラッキー嬢ちゃんの新しい仕事」は反対に芝居がかっている。まるでラピュタ魔女の宅急便のようだ。だがそのおかげで世界観をより強固に、そして説得力を持たせている。

優れた作品は「これはこういう話で、こういう見方をするんですよ」という手がかりがすぐに見つかるようにできている。その手がかりはイスみたいなもので、座ってしまえば後はもうその世界を楽しむだけだ。ただソレは一つとは限らない。

どう座ればいいかわからないまま映画や漫画が終わってしまうことだってある。繰り返し見ることでわかるものもあれば、なんとなく自分の中で座り方に決着をつけることでそれでヨシとすることもあるし、そういう自分だけの見方を探求するのが好きな人だっているのだ。私はどちらかと言うと分かり易い方がスキだ。

風立ちぬとラッキー嬢ちゃんの新しい仕事、どちらも非常にワタシ好みの作品でした。