ノベツマクナシ

低所得者層にいます

日記42 ピタゴラスとメリダの母

今日からサブタイトルをつけることにした。そうすれば自分の書いた文章を一言でまとめる練習になる。

映画メリダとおそろしの森で、結婚をすませることが女の一生の上で大事なことだと信じている母親が、反抗期でお見合いを嫌がる娘に向かって言うセリフの一つに「笑顔を忘れずに」というものがある。自分の言うことを聞かせにかかるだけの母親より手強さを感じる。理論的に行動の理由を説明したり、意見を述べるより抽象的かつ汎用性の高い言葉のほうが言葉は聞き手の中で長生きする。ドラクエの命令は簡潔で的を射ている上わかりやすいが、メリダの母はあえて「笑顔を忘れずに」という言葉をつかった。頑固者にはとてもキツイだろう。言葉の真意をつかむまで母の言うことが残るからだ。

私は今とても無口である。無口になればなるほど、言葉を選べば選ぶほど一言がよく響く。ピタゴラスは「多くの言葉で少しを語るより、少しの言葉で多くを語りなさい」と言ったが、まさにその通りである。そして無口になればなるほど姉は不機嫌になっていく。表面上反応がなければ嫌味や当て擦りを言っても意味が無くなると思っているのだろう。他人と話をしているつもりでも、否応なく自分でその発言を聞かなければいけない、ブーメランはすぐ帰ってくるのだ。だから悪口を言う人はどんどん不機嫌になる。するべきでないことをしているスリルに興奮し、それのおかげで憂さ晴らしができたと勘違いしてしまうせいで自分でも気づかない。

実際私は深く傷ついたし、部屋の中一人黙々と(今もこうして)反論を頭のなかで展開しているわけだが、姉の言葉に私に対する本意での批判はなく、自分がいかにおろそかにされているか、弟とくらべて甘やかされてないかを訴えるものしかない、そうなるともはや姉の言葉は私の中に残らない。ただ引き合いに出されただけなのだから。